Purewhite Devil
ルシファーはミカエルたちを見渡した。



『お前たちの力を分けてもらうだけでは魂の再構築は無理だ』

『だったらどうすりゃいいんだよ』

「私の核を使えばいいわ。そうでしょう?」

『ガブリエルッッ!!!!!』



ミカエルの怒鳴り声に泉堂 薫は驚いた。


少し離れた場所にいても、ミカエルの声は大きく聞こえた。



『核ではなく、もっと大切な物が必要だ』

「もっと大切な物?」



首を傾げるガブリエルの頬に触れたルシファーは真剣な眼差しを向けている。


ガブリエルはそんなルシファーの様子に不安を抱いていた。



『俺はお前が幸せならそれでいい』

「私だって同じよ。貴方の幸せを望んでる」

『なら、お前の想いを俺にくれ』

「ーーえ?」



ガブリエルの大きな瞳が揺れ動いた。


周りにいるものたちは二人のやり取りを静かに見ていた。


ガブリエルは目に涙をため、フルフルと首を横にふった。



「私の貴方への想いだけを渡せと言うの!?」

『そうだ』

「そんなの嫌っ!!それなら核ごと渡した方がマシよッッ!!」





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