Purewhite Devil
「あっそうだ!これ良かったら皆さんで召し上がって下さい」



私はクッキーの詰め合わせが入ったお菓子の箱をテーブルの上に置いた。


美味しそうだったからついつい自分用にも買ってしまった。



『ごめんね、気を使わせて』

「大したものじゃないので気にしないで下さい」



その後妹さんが持ってきてくれたお茶を飲みながら色んな話をした。


妹さんの事をお姉さんかと思ったと話をしたら土屋先輩はお腹を抱えて笑っていた。


こうして二人っきりで話をして改めて思った。


土屋先輩は本当に優しくて誠実な人だなって。



「あの、あの日天――真っ白な大きな翼の鳥見ませんでした?」

『いや、見てないよ。ガラスが割れた事もよく覚えてないんだ』

「そうですよね、変な事聞いてすみません」



天使を見たのは私だけ――か。


でも何で天使がいたのかな。


私たちを割れたガラスから守ろうとしたけど間に合わなかった、とか?


でもどうして急に頑丈な窓ガラスがあんなにたくさん一気に割れたんだろう。


いくら考えてもやっぱりあのガラスの割れかたは不自然だ。


誰かの悪戯?


もっと近くで天使を見てみたいけど、何か危険が起こらないと現れないならもう見なくてもいいやとも思う。





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