Purewhite Devil
カップルや友達同士で賑わっている中庭。


私たちは日陰になっている所に腰をおろした。



「最近は何をそんなに悩んでるわけ?」



売店で買ったパンを頬張りながら喋る優樹菜。


薫君も今日は売店のパンかな?


あんな場面を見ても尚、薫君の存在は私の心と頭の大半を占めていた。



「それがさ、伊集院先輩に好きだって言われたんだよね」

「何て返事したの?」



意外と冷静に切り返されて驚いた。


もっと興奮して騒がしい事になると思ってたのに――。



「何よ、その目」

「いや――静かに話聞けるんだなって思って」

「失礼な奴。ふざけていい時か悪い時かぐらいちゃんと判断できるわよ」



私たちは高校に入学して直ぐに仲良くなった。


でも、優樹菜にこんな一面があるなんて今まで知らなかった。


真面目な相談や話をする機会がなかったからかもしれないけど、友達ながら何だか安心した。


私が笑みを溢すと、優樹菜はしかめっ面になりお茶を一口飲んだ。






< 62 / 343 >

この作品をシェア

pagetop