Purewhite Devil
「返事してない」

「は?」

「付き合ってって言われたわけじゃないし、それにそれどころじゃなくなったから」



優樹菜は眉間に皺を寄せ、意味が分からないとでも言いたげに顔をしかめた。


私は相変わらず食欲がなく、ちまちまとお弁当のおかずをお箸でつついている。



「好きイコール付き合ってじゃないの?」

「――そうなの?」

「そうじゃなきゃ、だったら何?って感じじゃん。別に嫌いなわけじゃないんでしょ?」

「うん――」

「だったら試しに付き合ってみればいいじゃん」



試しにかぁ――。


新しい一歩を踏み出さないといけないんだろうけど、私の中の薫君という存在が中々そうはさせてくれなかった。


私って案外恋愛に関してはウジウジしてるのかもしれない。


そんな新たな発見いらないんだけど――。






< 63 / 343 >

この作品をシェア

pagetop