Purewhite Devil
今日の最後の授業は音楽だった。


いつもは第一音楽室なのに今日は第二音楽室。


第一音楽室のピアノの調子が悪いらしい。


授業の内容が全く頭に入ってこない。


先生が奏でるピアノの音も心に響かない。


全然違うのに、ピアノの前に座っている先生と薫君の姿を重ねてしまう。


須藤さんの為にピアノを弾いてあげてるの?


二人で楽しくここでお昼を食べてるの?


そんな事を気にする資格なんてないのに、この場所に残ってる思い出が私の心を煽る様に揺さぶる。


それに私にはもういるじゃないの――。


望先輩っていう私には勿体ないくらいの素敵な彼氏が――。


貴方の耳にもきっと届いてるんだろうね。






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