Purewhite Devil
だけど次の瞬間望先輩は余裕な顔からキョトンとした顔へと変わった。


それが可笑しくて私は声を漏らして笑ってしまった。



「どうぞ。恥ずかしいので早くお願いします」



望先輩は嬉しそうな笑みを見せ、フォークの先にある一口サイズのガトーショコラを口に含んだ。


誰かにこうして食べさせてあげるのなんて初めてで、どうしようもない恥ずかしさに襲われた。



『ありがとう、美味しかったよ』

「そ、それはッッ良かった――で、す」



望先輩の顔を見ることができなくて、外にいる通行人へと視線を向けた。


でも望先輩の視線を感じて落ち着かなかった為、直ぐに彼の方へと向きなおした。



「もう!!笑わないで下さいっ!!」






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