Purewhite Devil
『嫌?』



色気のある人だと思ったら今度は子犬みたいなオーラを纏うなんて――。


そんな顔向けられたら嫌なんて言えないじゃない。



「いいんですか?私なんかがお邪魔しても――」

『僕たちは付き合ってるんだから、何も遠慮なんてする必要ないんだよ。それに両親は忙しくてほとんど家には居ないから、緊張もする必要ないからね』

「じゃあ、今度お邪魔させてもらいますね」



そっか、ご両親はほとんどいらっしゃらないんだ。


私はホッと胸を撫で下ろした。


ん?


いや――ちょっと待って!!


って事は望先輩と二人きりになる可能性が高いって事!?


ご機嫌な顔をして外を眺めている彼に、今更断る事が出来なかった。


理由も思い浮かばないし――。


私は気付かれない様静かにため息を吐いた。






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