龍と虎
光は俺に気付くことなく屋上を出て教室に向かう。



可哀想な虎…。



教室に入ったら修が虎の前の席に座ってた。



「虎太君おはよ♪」

「おはよ修…。」



修も気付かない…。



「龍太君…。じゃない?」

「おぉ!!すげぇな修!!光は気付かなかったぞ♪」

「じゃあ…。まさか…。杏奈ちゃん?」

「チェ~ンジ♪」



やったな虎!!



修は気付いたぞ♪



「誰にも言うなよ?楽しそうだから♪」

「わかった!!」



やっぱり気付くんだよ!!



光以外は。



それからもクラスの奴に『虎太君』と言われ続けた。



これ程までに間違えられると、俺…。本当は虎なんじゃねぇか?なんて思ってしまうが、俺は龍だ!!



付き合いの長い亮は絶対気付くよな?



気付かなかったらマジヘコむ…。


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