龍と虎
【杏奈】



やっぱり龍が一番いい。



泣いてしまったあたしを抱きしめてくれる龍の腕は暖かい。



「今日は心配かけた罰だな♪」

「えっ!?」



考えるヒマもなく軽々と抱き上げられて、龍の部屋に連れて行かれた。



「お前かわいすぎ。」

「えっ!?ねぇ??何するの!?」

「何って…。ねぇ♪」



龍の唇はすでにあたしの唇と重なってた。



「りゅ…。真里奈…。帰ってくる…。」

「気にすんな♪」

「ダメ。昨日もしたもん。」

「あんなかわいい顔で抱きついといてお預けはナイだろ…。」



あたしが離れると、不服そうに腕を掴んで離さない龍。



「イヤ。」

「無理。」

「ダメ。」

「ダメじゃない。」

「龍ワガママ!!」

「杏奈が誘ったんじゃん!!」

「誘ってない!!バカ龍!!」

「は!?杏奈が悪いんだろ!!」

「龍なんてキライー!!」



雨降って地固まらず…。



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