追いかけられて
君を好きになる
巡は彼女と別れて階段を降りていた。
自分のやった行動に多少の苛立ちを覚えた。
形はなんであれ泣かせてしまったのだから
でも、自分も彼女が好きだった
彼女を幸せにしたかった
己の手で、どうしても幸せに
でも彼女が求めているのは私ではない
そう、彼女が求めているのは
巡「…翼」
翼「……」
目の前からきた男の名前を呼ぶ。
彼女を幸せにできるのは、
悔しいけどお前だけなんだ
俺をにらんで通り越そうとした翼にもう一度声をかけた。
巡「…翼」
翼「なに」
巡「……泣かせたら、奪うからね?」
何も言わなくて伝わったらしく、彼は歩いていった。
ああ、願わくば
彼女の笑顔がかれることの無いよう
彼女が幸せに満たされるよう
永久に友人として見守れますよう
fin