生ける屍となって



一つ目の方法は誰かの助けがいる。



俺が死ぬ事を誰も許してくれないから、不可能だ。




二つ目。運命を感じた相手。

吸血鬼には1人に1人、運命を感じる相手がいる。
相手は吸血鬼に限らず人間の場合もある。

その相手に出会えるのは、長い時を過ごす吸血鬼でも半分程度だ。



俺は昨日それを初めて感じた。




あの女の子。


彼女は子どもだ。


殺しくてくれなんて絶対頼めやしない。



それに運命の人間の話は本当だった。


運命の相手に出会うと、”存在する”ことが退屈なんて感じない。



その相手のことしか考えられなくなる。




その者の血を吸い尽くすまで。


しかし運命の相手を失った吸血鬼の末路は
悲惨なものが多い。



強い喪失感と後悔に取り憑かれるのだ。


永遠に


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