生ける屍となって
でも先程の話のせいで
身体の震えが止まらず、起きだせなかった。
「本当にすまないと思っている。
痛かっただろう?
俺は今こうやって君に会うことすらきっと罪なんだ。
でも、運命とは恐ろしいものだ。
逆らおうにも逆らえない。
だから苦しくても、
こうして君に会いに来てしまうんだ。
ああ、君に本当のことが言えたら、どんなにいいだろうか。
君を愛していると言えたらどんなに心が晴れるのだろうか。
しかし、それは君を傷つける行為だ。
もうすぐ夜が明ける。
君は俺に出会ったこともここに居たことも忘れてしまう。
俺にとっては、耐えがたいことだな、
愛する人に忘れられるなんて。
俺が頑張って忍耐力をつけて、君を傷つけずにすむようになったら、
また君の人生に俺が登場するだろう。
その日まで、待っていてくれとは言わない。
訪れない可能性だってある。
でも、俺は期待してしまう。
俺はわずかな可能性にかけるよ。
さあ、おやすみ。
もう少し寝た方がいい。
でないと俺がアランに怒られちゃうからね。」
彼は私の隣に座り、頭を撫で、
その美しい声で子守唄を歌った。
そして、私は一瞬で眠りについた。