生ける屍となって
眉間に皺を寄せ、苛立つアランはこう言い放った。
「何がって、ココだよ。
おまえ無理してるだろ?
彼女を手に入れたいんだろ?
後でおまえが荒れて、
その後の処理するのは勘弁だぞ。」
アランの言っている事はごもっともだった。
しかし彼は知らない、この気持ちがどんなのか。
運命の相手に出会ったことのある人にしか分かるはずがない。
「でもね、大切なものだから大切にしたいんだ。
壊したくないんだ。
今俺の傍に置いておいたら間違いなく、俺が殺す羽目になる。
それが分かっているから手放すんだ。」