生ける屍となって




カランカラン



ベルの音が響く




私は、電子音でなくわざわざ手でベルを鳴らす理由がさっぱり分からないけど

この音がとても好きだ。





いつものように先生が入ってくる。
しかしその顔は、少し赤い。





今日はみんなが好奇に満ちた面持ちで座っていた。




「おはよう、みなさん。


今日は新しいクラスメートがいるの

みんなもう知ってるかしら?

フランスから引っ越してきたのよ。」





このおっとりした女の先生が


私のクラスの担任の新城先生だ。





話すのがゆっくりでみんなの待ちきれない
気持ちを全く理解していない。




「じゃあ、紹介するわね。
入って。」




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