生ける屍となって
「では、立川くん。」
最初に当たったのは、室長の立川昇だった。
先生から信頼の厚い、優等生だ。
「美しい発音で日本語を話していますが
日本語はいつ学ばれたんですか?」
確かに、顔に不釣合いなほど日本語がうまい。
発音などネイティブそのものだ。
「七年ほど前に、長野県に二年ほど住んでいました。
だから、まだ覚えてるんです。」
七年前?ニ年だけ?
記憶力が良すぎないか?
「では、他に質問は?」
また三十人ぐらいが手を挙げた。
「じゃあ、右京さん。」