生ける屍となって
彼は立ち上がり、机と椅子を私の方に寄せると座ってこちらを向いた。
「ごめんね、そう言う事だから
見せてもらっていい?」
そしてニッコリ笑うから私は固まってしまった。
かっこいい。
コクリと頷き慌ててページをめくった。
あ、えっと、21ページ・・・
私、どうしちゃったんだろう。
この人とどこかで会ったことあったかな?
何故か懐かしい気がする。
そして何より胸が熱くなる。
彼の動き一つ一つに。
気がつくと授業が終わっていた。
「ねえ、どこかでお会いしたことあるかしら?」
私は分厚い本を開いた彼に話しかけた。
彼は上目遣いで私を見上げ、じっと見つめた。