生ける屍となって



放課後になり、続々と
生徒が帰っていく。



私も帰り支度をしていると

教室の前が騒がしくなる。


ふと見ると教室の出入口のドアに

4人の美男美女が立っていた。


「アベル、早く帰るよ。」


高校生には見えない色気溢れる
ウェーブのかかった長い髪の男子生徒

フランス人形のような
小さな女子生徒

銀髪の狼みたいな強面の男子生徒

沙羅のように中性的で
美しい美少年のような女子生徒



わぁ、すごいみんな綺麗だなぁ。



アベル君の兄弟なのかなぁ。



そんなことを考えていると、

中性的な女の子が私に駆け寄り
抱きしめられた。


「ココ、久しぶり!」



久しぶり・・・・?


こんな綺麗な人会ったことあったかな?


私が戸惑っていると


「覚えてないよね、もう七年も前だもの。」



彼女はそう言って
悲しそうに笑った。





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