2.5股
あたしは渋々というカンジで頷いた。
でも、内心ではちょっとだけ期待があった。
彼の言い方から、ホントに2股じゃなくて何か事情があるのかも~~とか、ね?
「彼女はバイト先のお客さん。主婦仲間とよく来るから、お互いに顔は覚えてるくらいの関係だった」
彼はカラオケボックスでバイトしている。
平日の昼間なんかは主婦が割と来るらしい。
だからって、それがなんでホテルになるのよ! ……と心の中でツッコミ。
「一ヶ月くらい前だったかな? 俺がフロントにいたら、彼女が一人で入ってきたんだ。焦った感じだったし、いつも主婦仲間と来るのに変だなって。気になって聞いてみたんだ」
「……」
「そしたら、なんか変な男につけられてるって言って、しばらく店の中いさせてくれって」