2.5股
「その日はバイトの帰りに彼女のウチまで送ったんだ。不倫相手が待ち伏せしてるかも知れないから」
「でも、それって一ヵ月前の話でしょ? それがなんで一ヵ月後には一緒にホテルになんのよ!」
「頼まれたんだよ」
「頼まれた?」
「何日かして、また彼女が来たんだ。不倫相手がまだつきまっているらしくて、俺にしばらくの間、彼氏のフリをしてくれって」
「はぁ?」
「最初は断ったんだけど、ちゃんとバイト代を出すからって。まあ、バイトだと思えばいいわけだし、人助けにもなるからいっかぁって」
「だからって……」
「だってさ~、断って彼女がストーカー事件とか巻きこまれたら、なんかちょっと責任感じなくね?」
「う~ん……」