2.5股

「その日はバイトの帰りに彼女のウチまで送ったんだ。不倫相手が待ち伏せしてるかも知れないから」

「でも、それって一ヵ月前の話でしょ? それがなんで一ヵ月後には一緒にホテルになんのよ!」

「頼まれたんだよ」

「頼まれた?」

「何日かして、また彼女が来たんだ。不倫相手がまだつきまっているらしくて、俺にしばらくの間、彼氏のフリをしてくれって」

「はぁ?」

「最初は断ったんだけど、ちゃんとバイト代を出すからって。まあ、バイトだと思えばいいわけだし、人助けにもなるからいっかぁって」

「だからって……」

「だってさ~、断って彼女がストーカー事件とか巻きこまれたら、なんかちょっと責任感じなくね?」

「う~ん……」

< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop