2.5股
「一回だけじゃ、あのストーカー系の不倫相手は諦めなさそうだから、ホテル作戦は何回か繰り返すことにしたんだ。で、四~五回目くらいに」
「やっと諦めた?」
「いや。……その、なんか、こう、変な雰囲気になっちゃってさ」
へ?
「ラブホの中ではいつも離れて座ってたんだ。一応、ほら、なんかアレだから。あの日も俺がベッドに座って、彼女はソファ。いつも通りたわいない話――スマホのアプリの話だったかな――をしてたんだ」
「……」
「彼女が面白いアプリをインストしたって言ってさ。スマホを俺に見せようと立ち上がったんだ。そしたら、テーブルの脚につまづいたみたいで、彼女が俺の方へよろけてきた。危ないって思って俺はとっさに支えようとしたら……顔に彼女の胸がボインってなって、慌てて離れようとしたら後ろのベッドへ倒れちゃったんだ。結果的に彼女に押し倒された状態。彼女がごめんねって言って起きあがろうとして、俺の顔から胸が離れたら、なんか馬乗りされてる態勢で、その、彼女と見つめ合う感じになっちゃって。うわ~どうしようかなって思ってたら、彼女の顔が近づいてきてさ。反射的に目を閉じてキスしちゃったら、なんか無意識に彼女の太ももからおしりを撫であげちゃった。そしたら彼女がびっくりするくらい甘い声で……」