モノクロ*メランコリック
「なんで二回も言うのよー!」
「一回じゃ伝わらないかなって。馬鹿だから…」
「私はこれでも高校生なのだけれど!?」
声を荒げたせいで、呼吸が荒くなる。
シロは「大丈夫?」とわざとらしく心配するような口調で言ってきた。誰のせいだと思ってるの!?
「私を怒らせると怖いわよ」
「百五十センチ以下の小学生を怒らせても小型犬がわめいてるくらいにしか思わないよ」
「誰が小学生よー!?」
反論するけれど、シロは「はいはい」と面倒くさそうに言うだけ。
まったくもう、やんなっちゃうわ。
確かにシロは、平均よりちょっと高い百七十五センチだから、私と並ぶと三十センチ近く差があって小さく感じるんでしょうけど!
むっとした顔で、すとんとソファに座った。
私は確かに成績はいいほうではないけれど…ほら、頭はアレな分、外見がいいからまあいいのよ!
プラスマイナスゼロってやつね!
「今、外見はいいからいいのって思ってるでしょ」
「なんでわかっちゃうのよーー!!」
ヒイイという顔をすると、呆れたような顔で「やっぱり馬鹿だね」と言われた。
むっと唇を尖らせてシロを見ると、ばちっと目があう。
少しだけどきりとして、戸惑った。