モノクロ*メランコリック
私は恥ずかしくて俯いて、ぼそりとつぶやいた。
「…してるわよ………」
その瞬間、くい、と顎を持ち上げられる。
強制的に上を向かされて、至近距離にシロと目があった。
「ちゃんと、目ぇ見て言って」
……死んじゃう。
その強い瞳に射抜かれて、死んじゃう。
いつも穏やかで優しくて、私のわがままをなんでも聞いてくれていた、大好きな彼が。
私の憧れる、まっしろな彼が。
今、有無を言わさない目で、私のことを見てる。
唇が、声が、震えそうになる。
怖いとか、そういうのじゃない。
ただ心臓が激しく鳴って、苦しくて。
見たことのない顔をしたシロは、すごくすごく綺麗で。
くらくら、する。
どうにかなってしまう。
「……ご、めんな、さい…」
今にも沸騰しそうな顔で、彼の目を見つめて言う。
普段の私には想像できないほど、弱々しい声だった。
瞳に涙がたまっているのか、視界も少しだけ歪んでいる。