モノクロ*メランコリック
*第二話
突然のピンチ
「シロは…シロではないのかもしれない………」
あれから一週間が経った、九月の中頃。
私は、未だに悶々としていた。
「いくらテストの結果が悪かったからって、真白のせいにしちゃダメよ」
よく行くファストフード店の一席で、りさは携帯を見つめながらそう言った。
…いいえ。それもあながち間違いではないわ。
社会科資料室での一件から、当然私の頭のなかはシロのことでいっぱいで。
その二日後にあったテストは、散々だったわ。頭のなかはシロ一色だけど、返ってきたテスト用紙は真っ赤よ。
「まぁでも、あんたが驚くのも仕方ないっちゃ仕方ないかしらね。あたしでもさすがに驚いたもの」
りさはさして驚いた様子もなく、そんなことを言う。
私は資料室での出来事を思い出して、顔をぽっと赤くさせると同時に、頭を悩ませ始めた。
………シロは、まっしろ王子なんかじゃない。
十年以上一緒にいて、今更そんなことに気づくなんて。
驚きも驚きよ。なんなのよほんと。マジで。