モノクロ*メランコリック
私に向けるあの意地悪な顔は、間違いなくまっしろなんかじゃないわ。
私に対して怒ったりすることは今までにもあったけれど、あんな風にニヤッと笑うことなんて、なかった。
一体なにが、引き金になってしまったのかしら。
思い当たる節といえば、シロの家で言った『どうして、彼女作らないの?』発言くらいかしら。
あのとき、『美愛子に彼氏ができたら、ちょっと困るかな』発言も飛び出したのよね。
ストローをくわえながら携帯を見つめるりさを見て、私はため息をついた。
「やっぱりあなたでも、驚くわよね…シロにあんな一面があったなんて」
「何言ってるの。あたしが驚いてるのはそこじゃないわ」
え?
ぽかんとして顔をあげると、頬杖をついたりさと目があった。
「そこじゃないって…じゃあ、どこよ」
「真白にそういうところがあったのは、はじめから知ってたわ。だけど、それを真白がミアにおおっぴらにするようになったことに、驚いてるの」
「…………」
は?
知ってた……?
意味がわからないという顔をする私に、りさは続ける。