モノクロ*メランコリック
じっと見上げると、シロもまた見つめ返してくる。
その視線に頑張って耐えていると、シロは少しだけ笑って、「嫌だった?」と言った。
「え?」
「俺と付き合ってるって思われるの。嫌だった?」
い。
嫌だったって……!
嫌なわけないじゃない!むしろ飛び上がるほど嬉しいわよ!?
けれど、そんな感情をシロに悟られてはいけない。
…いえ、きっともう、わかってるのだろうけど。
私が嫌じゃないってわかった上で、シロは竜崎くんに嘘をついた。
…ホント、ずるい男。
まぁ、ちゃんと告白しない私も悪いのだけれど。
私は誤魔化すように、つんとそっぽを向いた。
「…私は別に、嫌ではないけど。シロは、いいのかしらと思って」
「俺?」
「そうよ。仮にも私が彼女で、いいの?…こっ、こんな可愛い彼女に、不満なんかないでしょうけど!?」
ええ、当たり前ね!
どーんと胸を張ると、シロは意外にもあっさりと、「別に」と言ってきた。
「…そ、そう」
なんかリアクションが薄いわ。寂しい。
シロは玄関に置いてある靴箱に寄りかかって、私を見下ろした。