モノクロ*メランコリック
クラス中が、私達のただならぬ様子を固唾を飲んで見守っている。
ハタから見れば、お姫様が猛獣に襲われかかっているようなものだ。
私は竜崎くんを見上げながら、小さな声で返した。
「な…なんで…?」
すると、ズイ、と一気に顔を近づけてきた。ヒィ!何!?
彼との距離、わずか十センチ。そんな距離で、竜崎くんは睨んでくる。怖い怖い怖い!
彼は怯える私に、「いいから貸せ」と言う。
「お前、部活入ってないだろ。どうせこのあとも暇だろう」
「…そ、それはそうだけど…」
なんの用事なのよ、なんで私なのよ。
どうせ暇ってどういう意味よ!?
さすがにムカついてきた私に気づいているのかいないのか、竜崎くんは私にしか聞こえないような声で、言った。
「…昨日のこと、バラされたくなかったらついてこい」
脅しっていうのよそれーー!!