モノクロ*メランコリック


クラス中が、私達のただならぬ様子を固唾を飲んで見守っている。

ハタから見れば、お姫様が猛獣に襲われかかっているようなものだ。

私は竜崎くんを見上げながら、小さな声で返した。


「な…なんで…?」


すると、ズイ、と一気に顔を近づけてきた。ヒィ!何!?

彼との距離、わずか十センチ。そんな距離で、竜崎くんは睨んでくる。怖い怖い怖い!


彼は怯える私に、「いいから貸せ」と言う。

「お前、部活入ってないだろ。どうせこのあとも暇だろう」

「…そ、それはそうだけど…」

なんの用事なのよ、なんで私なのよ。

どうせ暇ってどういう意味よ!?


さすがにムカついてきた私に気づいているのかいないのか、竜崎くんは私にしか聞こえないような声で、言った。



「…昨日のこと、バラされたくなかったらついてこい」



脅しっていうのよそれーー!!



< 152 / 361 >

この作品をシェア

pagetop