モノクロ*メランコリック
昨日のことを持ち出されてピシリと固まる私に、何を言ったのかわかっていないクラスメイト達が心配そうな目をする。
唯一、私達の会話が聞こえていたらしいりさは、私を見て『気の毒に』という顔をした。いやいや助けて!
私はクラスメイト達から見られない角度で、精一杯に竜崎くんを睨んだ。
彼はそんな私に構うことなく、フンとそっぽを向く。
…最低、最低、さいってい!
人の弱みにつけこむなんて!
しかも、クラスメイトのみんなの前で言うことで、私に拒否できない状況までつくって!
竜崎くんってこんな人だったの!?
こんな人に秘密がバレたなんて、最悪じゃない!
私は密かにぎゅう、と手のひらを握りしめて、竜崎くんを見上げた。
「……わ、わかった…」
私がそう返事をした瞬間、クラスメイト達が一斉に抗議を始めた。