モノクロ*メランコリック
「…そう言うあんたこそ、真白の恋愛に関して、知ってることは少ないんじゃない?」
その言葉に目を見開いたとき、すぐそばから「あ!」と声がした。
「ミアちゃんとりさちゃんじゃーん!」
見ると、私たちのテーブルの横に、同じ学年の男子がふたり立っていた。
確か、三組の高橋くんと戸田くんだ。
男子はシロ以外興味はないけれど、これでも声をかけてくれるひとの顔と名前はみんな覚えてるのよ。
私はスパッと顔を『天使ミアちゃん』モードにして、「パフェ食べにきたの〜」と笑った。
「まじで?じゃあ、俺もパフェ食おっかな〜」
なんて言って、男の子たちは笑い合っている。
私はニコニコして「ここのパフェ、美味しいよ〜」なんて返すけれど。
残念ながら、向かいに座るりさは興味がないみたい。
男子に見向きもせず、携帯を触り始めている。
うーん、好みのタイプじゃないのかしら。戸田くん、ちらちらあなたのほうを見てるっていうのに。
宮部りさは興味のない男にはとことん冷たいけれど、一度気に入れば全力で落としにかかる女だ。
その大人びた雰囲気とスタイルで、一体今まで何人の男子を捕まえてきたことか。