モノクロ*メランコリック
私の必死の説得の甲斐あってか、なんとかみんな納得してくれたみたい。
とりあえず囲むのはやめてくれたので、ホッとする。
「大変ね、あんたも」
横で遠目に成り行きを見守っていたりさが、ボソリとつぶやいた。
「…他人事だね」
「当たり前じゃない。あたし関係ないもの」
「おっしゃる通りです…」
はぁ、と大きなため息をつきたくなる。
でもダメ、ここは教室だから。
天使ミアちゃんは、わざわざ幸せが逃げるようなことしないのよ。
*
それから竜崎くんが来たのは、四時間目がはじまる直前だった。
ガラガラ、と勢いよくドアを開けた先に見えたのは、超不機嫌な顔。
もともとの不良っぽい荒っぽさと、コワモテな顔立ちがプラスしてすごく怖い。
こんなに堂々と遅刻なんて、ほ、ほんとにヤンキー……!?