モノクロ*メランコリック


楽しそうに談笑していたクラスメイト達も、ピタリとおしゃべりをやめる。

竜崎くんの一挙一動に、みんな怯えたり顔をしかめたりしていた。


竜崎くんもクラス中の注目が自分に集まっていることに気づいたのか、チッと舌打ちを打つ。

ちょっと…なにイラついてるのよ。

今の舌打ちで、か弱い女子達が震え上がっちゃったじゃないの。


勢いよくガタンと席に座る竜崎くんを、私はハラハラしながら見つめていた。


やがて彼は、ただでさえ悪い目つきをさらに鋭くすると、また勢いよく席を立つ。

そして、教室の外へ出て行ってしまった。

え…どこ行くのよ。

授業始まるわよ!?



「あー、まじこええ。竜崎」

クラスの男子のひとりが、わざとらしく大声で言う。

見れば、他のみんなも同じような感じ。

そ、そりゃ、今のは怖かったと思うけどぉ。



< 194 / 361 >

この作品をシェア

pagetop