モノクロ*メランコリック
「職場で倒れたって連絡があって…過労だと。今は入院してる。今日は家のこととかしてたら、家出んのが遅くなっただけ」
だから遅刻した…のね。
過労で入院なんて、竜崎くんのお母さん、すごく頑張ってたってことだわ。
私は浮かない顔した竜崎くんを横目に、「それは仕方ないわね」と言った。
「でもみんな、すごく怯えてたわよ。竜崎くん、顔怖すぎだわ」
「顔怖すぎってお前…ひでえな。寝不足でイラついてたんだよ。…過労で倒れるとか久しぶりで、寝付けなかっただけだ」
不安だったのね。
なんだか今の竜崎くんは、年相応って感じ。
学校ではまるでヤンキー、外では家族思いのお兄ちゃん。
でもまだやっぱり、高校一年生なのよね。
大切なお母さんが倒れたとなれば、そりゃ眠れなくもなるわ。
竜崎くんに元気になってもらおうと、私は精一杯に笑ってみた。
「それにしたって竜崎くん、そのいかにもヤンキーな雰囲気、どうにかならないの?友達できないわよ」
「あー…これな。もう諦めてんだ。俺、実際中学の頃荒れてたし」
えっ。