モノクロ*メランコリック


「ほっ、本物のヤンキーだったの!?」

「前な、前。ヤンキーつうほど、ヤンキーではなかったけど…両親が離婚してから、荒れててさ。中二くらいまではケンカ三昧で…」


それは正真正銘ヤンキーよ!!

ケンカって!ケンカって!!

こわっ!!


私が怯えていると、「でも中二の冬におふくろが倒れたとき、やめた」と言った。


「俺びっくりしてさ、そんとき初めて、俺の協力がなきゃ家やべえんだって気づいて。遅すぎだよな」

「…でもえらいわ」

「そーか?俺がやんなきゃどーしようもねーから、やってるだけだよ」


…お母さんのために、変わったってことだもの。

ケンカ三昧の日々から、学校帰りにスーパーのタイムセールに走るようになったのよ?

すごい変化だわ。

それだけ、大切にしてるってことよね。



私は携帯を見て、もうすぐ昼休みが終わる時間なのを確認すると、すっと立ち上がった。


「…じゃあ、だからこそよね。今頃、正人くんも不安なはずだわ。竜崎くんはちゃんとご飯食べて、元気なお兄ちゃんでいるべきよ」


私が笑ってそう言うと、竜崎くんも「ああ」と笑ってくれた。

頑張れ、お兄ちゃん。

私にできることなんて、限られてるけど。

応援なら、いくらでもできるわよ。



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