モノクロ*メランコリック
「やーね。でも、可愛いでしょ?許してよ」
「純情男子を弄んでほくそ笑んでる女子なんか、可愛くありません」
弄んでるなんて、失礼じゃない?
そう言って、下駄箱から廊下へ歩く。
ただ笑顔で、朝の挨拶をしただけなのに。
そこで、通りかかった隣のクラスの男子と目が合った。
私はぱっと笑顔になると、明るく挨拶をする。
その男子は驚いた顔で「おはよう」と言ったあと、嬉しそうに歩いて行った。
うん、今日の私も可愛い。
横を見ると、りさが白い目をしてこちらを見ていた。
「ほんと、器用よね。尊敬するわ」
「ありがとう」
「褒めてないからね」
そんなやりとりをしながら廊下を歩いていると、窓から外を見ていた男子の集団が、こちらに気づいた。
「ミアちゃんじゃん。おはよ」
いつも通り、にこにこ笑顔で返す。
チャラチャラしたかんじの男子たちは、私の反応に満足げ。
その姿を見ながら、うーん、と思う。
せっかく話せば面白いし、いい人たちなのに、
もっとこう、誠実そうなオーラがあれば、もっと女子にモテそうなのに....なんて。