モノクロ*メランコリック
「…ごめん」
シロがそう言った瞬間、空気が一気に重くなる。
女の子ははじかれたように、「で、でも」と言った。
「試しに付き合ってみようよ。それからでも…」
必死なその言葉にも、シロは静かに「ううん」と言った。
そして。
「………俺、今誰とも付き合う気ないから」
その言葉は、凛として廊下に響き渡って。
私の心まで、震わせた。
「……そ、そっか。…ごめんね、ありがとう。…じゃあ」
それからすぐに、パタパタと足音が聞こえて、女の子が去ったのだとわかる。
そうっと立ち上がって下を見てみると、こちらを見上げたシロと目があった。
「!」
「……なにしてんの」
「べ、別に見たくて見たわけじゃないわよ!出くわしちゃったから隠れてただけじゃない!!」
そう、いつも通りに話すけど。
私の頭のなかでは、さっきのシロの言葉がぐるぐると回っていた。