モノクロ*メランコリック
……付き合う気、ない。
誰とも付き合う気………ない。
「…………」
なんとなく、一緒に歩き始める。
もうすぐチャイムが鳴るはずなのに、私もシロも歩みを速くしようとはしなかった。
「………し、シロ」
震えそうになる声で、一歩前を歩く彼に話しかける。
シロはいつも通り、「ん?」と振り返った。
「だ…誰とも付き合う気、ないって言ってたけど。……他に好きな子でも、いるの」
立ち止まって、シロを見つめる。
彼は目を細めて、今度は笑わずに言った。
「…いたら、美愛子に彼女のフリなんてさせてないよ」
「……………」
そりゃ、そうかもしれないけど。