モノクロ*メランコリック
「ああん?なんだよ」
「なんだよはこっちのセリフよ。いきなり人のこと拉致しておいて、説明も自己紹介もないなんてあり得ないわ」
キッと睨むと、男のひとりが待ってましたと言わんばかりに、ニヤニヤと笑った。
「悪いなぁ、嬢ちゃん。お前に罪はねえよ、あるのはあんたの彼氏」
「…は?」
生憎と、私に彼氏はいないのだけれど?
…いや、嘘でならいるけど。
まさか、シロ………?
眉を寄せると、男は衝撃的な名前を出してきた。
「竜崎正志。あんたの彼氏に用があんだよ」
ハアアアアー!?
「ちょ、ちょっと!何言って…!」
「隠したって無駄だぜ。あんたが竜崎の女ってことは、もうわかってんだ。昨日、仲良さげに一緒に歩いてただろう」
それだけで付き合ってる認定しちゃったの?馬鹿なの!?