モノクロ*メランコリック
「だから、変に私を避けたりしないでね。竜崎くんはこれから、正人くんをしっかり守っていけばいいの」
そうよ、それがいちばん大事。
竜崎くんは私を見て、困ったような顔をする。
私は念を押すように、「それと」といった。
「…あの男子達をシメようなんて、思っちゃダメよ。危ないし、またどんな仕返しがくるかわからないし」
そうは言っても、竜崎くんの表情は晴れない。
…きっと、最近色々なことが起きすぎて、彼はすっかり不安になっているんだわ。
でもだからこそ、でしょう?
私はしっかりと竜崎くんを見つめて、言った。
「…竜崎くんが家族を大事に思ってるように、正人くんもお母さんも、あなたを大事に思ってる。…あなたを信じて生きてるひとがいること、忘れないで」
正人くんの、竜崎くんを見つめる目。
信頼し切った瞳は、とても無邪気で。
…今の正人くんの支えは、竜崎くんしかいないのよ。
あなたがそんなんで、どうするの。
抱えきれないほどの不安があるなら、家族でもっともっと話し合えばいいじゃない。