モノクロ*メランコリック


るんるんで歩く私を見て、りさが「よかったわね」と言って笑う。


「文化祭では、ドレスも着れるだろうし。…ちょうどあたしが衣装係だから、楽しみにしてなさいよ」

「ええ、すっごく楽しみ。りさなら私に似合うものも、ちゃんと見立ててくれるわよね」

「頑張るわ」


ふふ、嬉しい!


中学の頃も劇に出たけれど、内容は学園ものだったし。

お姫様の役をするのは、幼稚園の発表会以来かしら。


やーん、憧れの白雪姫よ!


王子様のキスで、目を覚ます…とかは、さすがにクラス劇だから、しないけれど。

しかも王子様は、笹原くんだし。

まぁ比較的仲も良いから、やりやすいのだけれどね。


ああ、明日からの練習が楽しみ!



委員長の『やってくれるよな?』という後押しのあと、改めてお姫様役の事実を確認して。

それからはもう、シロのことへのもやもやなんて、吹っ飛んじゃった。


それくらいに嬉しい。

だって、お姫様だもの。


私がその役に相応しいって、クラスのみんなが思ってくれたわけでしょう?


誇らしいことだわ、頑張らないと!



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