モノクロ*メランコリック
「…えー」
「ねっ、ねっ?いいじゃない、しましょう!」
渋るシロを、無理やり引っ張る。
ここで押せば、シロは折れてくれる。
長年の幼馴染は知っているのよ!
「ね、ね?お願い」
「…わかったよ」
やったぁー!
勝ったわ!なんていうか、恋の神様に!
私がお姫様で、シロが王子様。何度も憧れたシチュエーションよ!
私はやっぱりニコニコしながら、シロの前に立った。
「最初だし、そうね、そちらの台本から付き合ってあげるわ」
「…別にいいんだけど」
「いいからやるのー!」
「ハイハイ」
シロの台本を覗き込んで、台詞を確認してみる。
学生劇っぽく、ちょっとアレンジしてるみたいね。ギャグがちらほら見えるわ。
シロの機嫌を損ねたくはないから、手短かに行きましょうか。
とりあえず、シンデレラが着飾って舞踏会へ行くところからよね。