モノクロ*メランコリック


「…えーと?『まぁ、なんてきらびやかな場所なのかしら』」


シンデレラは舞踏会に集まった人々を見て、驚く。

その中でも一際目を惹く、王子様。


王子様はシンデレラを見るなり、ゆっくりと歩み寄った。



「…『綺麗な方だ。どうか、僕と踊っていただけませんか』」



シロが、台本に目を落としながら静かに台詞を読む。


……はぁぁ、格好いい。

かけてる黒縁メガネも最高だわ。


「…美愛子。次」

「…えっ、あ、ああ、えーと」


見惚れてたわ、不覚。

気を取り直して、私はまた台本を覗き込んだ。


「…『私と、踊って下さるのですか?』」

「『あなたと踊りたい』」


シンデレラと王子様は手を取る。

周りがネタを披露したりコントをかましたりして、舞踏会は過ぎていく。


そして十二時がきて、別れの時が来る。

シンデレラは家へ戻り、また継母たちにこき使われる毎日へ。


そんなある日、家へ王城からの使いがやってくる。

執事とともにやってきた王子様と、シンデレラは再会した。



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