モノクロ*メランコリック


ーーーピンポーン。


突然鳴り響いたインターホンの機械音に、パッと思考が切り替わった。

シロはあのときと同じように、ハッとしたような顔をする。

そして私から顔を背け、身体を起こした。


「……ごめん」

「……………」


それは、なんに対しての『ごめん』だったのか。

私には、わからないけれど。


シロが私の上から退いて、玄関の方へ歩いていく。

その場に残された私は、身体を起こして膝を立てた。

赤い頬を隠すように、俯く。



…シロ。

シロ、シロ、シロ。


さっきから、心臓の音がうるさくて仕方ない。

きっと、壊れてしまう。

これ以上揺さぶられたら、私の心臓はきっと壊れてしまう。

それくらいに、ドキドキして。跳ね上がって。



………わかんない。

私、わかんないのよ、シロ。

私、馬鹿だから。

ちゃんと言ってくれなきゃ、どうしていいのかわからない。



『そんなのもう、わかりきってるだろ?』



……いいの?

期待して、いいの?

本当は、ずっとそうなんじゃないかって、思ってた。

あり得ないとは思いつつも、その可能性を捨てきれなくて。




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