モノクロ*メランコリック
私はシロにとって、特別な女の子なんだと思っていた。
思っていた、けれど。
いざ、こんなにも強く想いをぶつけられたら、死んじゃいそうになった。
……シロ。
どうしてそんなに、苦しそうなの。
私は、その想いを受け止めてあげられるのに。
それを、シロも知っているはずなのに。
………どうして、隠すの?
「美愛子」
宅配便の荷物を持った、シロが玄関からリビングへ歩いてくる。
私はドキリとして、上手く返事ができなかった。
……ダメだわ。
今日はもう、ダメ。
感情が高ぶりすぎていて、何を口走るかわからない。
「………わ、たし。今日はもう、帰るわ。見たいテレビがあったし、だから…」
「うん」
「…じゃあ、ね」
彼は、引きとめなかった。
それは彼もまた、まともに私の顔を見れそうにないようだったからだと思う。
私は逃げるように、シロの家を出た。