モノクロ*メランコリック
…あの表情を、私はどう判断すべきなのかしら。
今はまだ、何もできそうにないのが悔しい。
シロは昔から、なんでもひとりで抱えこもうとするところがあるもの。
…なにかあるなら、言ってくれてもいいのに。
シロのためなら、いくらだって考えるわよ?
それにしても…シロのあの表情、私はどこかで見たことがある気がする。
どこだったか、いつだったか。
思い出せないくらい、昔の記憶。
…私はまた頭の中をぐるぐると巡らせながら、家を出た。
*
「ミアちゃん、演技うま〜い!」
そう、クラスメイトに言われたのは、六限目の文化祭準備の時間だった。
それぞれに持ち場について、製作したり練習したり。
そんな教室の真ん中で、私は台本を片手に固まっていた。