モノクロ*メランコリック
「……えっ、そっ、そうかな…?」
「そうだよ、超上手い!なんかカッコいいっていうか、キャラ変わるね〜」
劇の台本を書いた、監督役の由美ちゃんが私を見てニコニコと笑う。
周りの女子達も私をキラキラした目で見て、男子達は顔を赤く染めていた。
…そっ、その反応は、なかなか嫌いじゃないけれど?
キャラ変わるとまで、言われてしまったわ………
だって私、スイッチ入ると超頑張っちゃうんだもの!
天使ミアちゃんは、毎日が演技の連続なのよ。猫かぶり歴六年をナメないで欲しいわ。
しかもお姫様よ?お姫様。
感情移入余裕すぎよ。
この中の誰よりも上手く演技できる自信があるわ。
でもどうしましょう、気合入りすぎてた。
この辺で、少しセーブしないと。
白雪姫と王子様以外の役者が集められて、由美ちゃんと打ち合わせ。
残された私と王子様役の笹原くんは、教室の隅に移動した。