モノクロ*メランコリック
「ミアちゃん、マジで演技上手いな〜!」
笑って話しかけてくれる笹原くんにも、苦笑いしか返せない。
「…主役だし、頑張ろうと思って。昨日、ちょっと練習したの」
「いいね〜。俺も見習って頑張ろ。相手がミアちゃんだと思うと、俄然やる気出るよ」
「ホント?嬉しいな。頑張ろうね」
「おー」
笹原くん、ルックスがいいから、王子様役の衣装も似合いそう。
話しやすいし、笹原くんが相手でよかった。
それから少しして、笹原くんは男子達に呼ばれてそちらへ行った。
コントについての話し合いをするみたい。
私はクラス全体を見渡して、いいなぁ、と小さく呟いた。
……みんな、一生懸命だわ。
文化祭を成功させるために、それぞれが頑張ってる。
イベント事に全力で取り組むのは、このクラスのいいところよね。
「ミアちゃんミアちゃんっ、今ヒマ?」
そう言って話しかけてきたのは、背景係の絢ちゃん。
絵の具のついた筆を片手に、なんだか慌てている。