モノクロ*メランコリック


四組の教室へついて、ドアから顔を出した。

えーと…シロは、と。


「あ。ミアちゃんだー」


近くにいた四組の女の子が、声をかけてくれた。

「誰かに用事ー?」

「うん。進藤くん、いるかな?」

「ほーい。ちょっと待ってね」

四組の教室内を見渡して、シロの姿を探す。

彼は台本を片手に、他の役者たちと話している途中だった。


女の子に声をかけられて、シロは台本から顔を上げる。

そして、ドアの近くにいる私の方を見た。

ドキ、と心臓が小さく鳴る。


『進藤くん』は、ゆっくりと私のところへ歩いて来た。


「…どうしたの?」


ドアの淵に手をついて、彼は私を見下ろす。


「…えっと…」


周りからの視線を感じて、さらに緊張した。


み、みんな、見過ぎよ。

いくら私達が、有名ながらに滅多に話さないコンビだからって。

近くにいた四組の生徒達が、私達を見てこそこそと話している。


「ミアちゃんと進藤くんが話してる…」

「ほんとだ。珍しー」

「絵になるねえ」


聞こえてるわよ!

ええい、作業に戻りなさーい!



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