モノクロ*メランコリック
「………っ」
だめ、だめ、だめ。
ここは学校で、私は『ミアちゃん』。
『進藤くん』とはクラスも違う、大して親しくもない間柄で。
…だから、だめ。
今すぐ『シロ』と叫んで、彼のもとへ走って行きたいなんて。
思っちゃ、だめなのよ。
*
その日の放課後。
「あ、ミアちゃん。ちょっと待って」
りさと帰ろうとしたとき、クラスの女子に呼び止められた。
「なぁに?」
クラスのなかでも、だいぶ派手な方の女の子である花凛ちゃん。
赤っぽい髪色の彼女は、私の前まで来るとニコッと笑った。
「明後日…金曜の放課後って、ミアちゃん空いてる?」
「金曜?うん、空いてるよ」
今週の金曜日は、先生達の職員会議が放課後にあるとかで、終礼の時間が早いのよね。
私は部活に入ってないから、いつもと変わらず家で過ごそうと考えてたんだけど…