モノクロ*メランコリック
シロはきっと、澤野くんか誰かに誘われたんでしょうね。
それで、きっと最初は断ったのだろうけど。
私が来るということを聞いて、心配して来てくれた。
ええ、たぶん自惚れじゃないわ。
あとから改めて、彼に尋ねるつもりもないけれど。
それから二十分ほどして、シロがカフェへ来てくれた。
私は顔を上げて、彼と目を合わせようとする。
「シロ…」
「行こっか」
えっ?
シロは何故か笑ってなくて、私と目も合わせてくれない。
ありがとう、もごめんね、も言わせてくれなかった。
さっさと前を歩き始めるシロに慌ててついていって、会計を済ませる。
……え?
なんなの、シロ。
なんでそんなに、機嫌悪いの?
私がひとり戸惑う中、私達はカフェを出た。