モノクロ*メランコリック



「…手、繋いで」



彼に、左手を差し出す。

シロは目を見開いて、私の顔を見た。


…きっとこの時の私は、情けない顔をしていたと思う。

それこそ、泣きそうなくらい。


最近のシロはますますわからなくて、不安になって。

シロから向けられる色んな感情が、私を混乱させる。

だから、いきなりこんなことを言ってしまったのよ。



「……………」


シロは目を伏せて、手をとってはくれない。

何故か辛そうに、眉を寄せるだけ。

ぬくもりに包んでもらえない私の手は、どんどん冷たくなっていった。


シロはそれでも、手をとらない。

やがて彼はフ、と優しく笑った。



「…何言ってんの。もう、子供じゃないんだし」



呆然とする私に背を向けて、彼はまた歩き出そうとする。


……子供じゃない、って。

そんなの、わかってる。

わかってるけど、怖かったんだもん。


また子供の頃のように手を繋いで、安心したかったのに。




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