モノクロ*メランコリック
「シロ」
「……」
「こっち向いて」
「…………」
「シロ!」
叫ぶと、彼は眉を寄せてこちらへ振り返った。
その顔は、色んな感情を押し殺したような、複雑な表情をしていて。
…なんで、そんな顔するの?
言いたいことがあるなら、ハッキリしなさいよ。
いてもたってもいられなくて、私は立ち上がった。
泣きそうになるのを堪えて、私は大きく口を開く。
「気づいてるんでしょ?もうずっと、ずっと前から!私がシロをどう思ってるか、わかってるでしょ!?なのになんで、そんなこと言うの?」
「…………」
「シロ、変。最近、変!いきなり意地悪になったり、優しくなったり…そうやって、突き放したり!」
今まで、こんなことなかった。
十年以上一緒にいるのに、彼からこんなにも一度に色んな感情を向けられたこと、なかった。
気づけば私は泣いていて、ボロボロ涙がこぼれてくる。
鼻をすすりながら、涙声で叫んだ。
「言いたいことがあるなら、ハッキリしてよ!私、どうしたらいいのかわかんないわよ!」
「俺だってわかんないよ!!」
突然シロが声を荒げたことで、私の口は閉じた。